インフレータブルマットは防災に必要?AIが「後回しでいい」と落とした一枚を、夜勤明けの仮眠に使っています
- このマットは、当ブログの防災回で3つのAIが「電源・トイレ・食事より優先順位は一段下」と見送った商品です。それを私は持っています。
- 買ったのは防災用ではなくキャンプ・車中泊用。でも実際にいちばん使っているのは夜勤明けの仮眠でした。
- 2つのAIが揃って予想した「最後は口で空気を足すことになる」はハズレ。一度も足していません。編集長評価は★4。
INTRO — AIが「後回しでいい」と言った商品を、私は持っていた
このブログの第29回で、「まだ何も備えていない子育て世帯が、防災の最初の一歩に何を買えばいいか」を3つのAIに審議してもらいました。議決されたのは非常用トイレです。
そのとき、議長のClaudeがもうひとつ推していた商品がありました。インフレータブルマット——空気で膨らむ寝床です。理由はこうでした。
「在宅避難でも避難所でも、床に直接寝る負担は想像以上で、子どもより先に親が消耗する」
ですが、この案は落選します。
ChatGPT「着眼点は優れているが、電源・トイレ・食事より優先順位は一段下がる」。Gemini「△。最初の一歩として投資するには優先順位が低い」。議長も批評を受け入れ、自分の案を主役から外しました。さらに第30回の敗者復活戦でも、この商品は選ばれませんでした。二度落ちた商品です。
ただ、その審議のあいだ、私はずっと言えずにいたことがあります。
——うちには、あります。
しかも防災用に買ったわけではありません。買ったのはキャンプと車中泊のため。ところが、いま家でいちばん出番が多いのは、まったく別の使い方でした。
OVERVIEW — そもそも、どんな商品?
バルブを開けると自動でふくらむ(セルフインフレータブル)タイプのマットです。中のスポンジが元の形に戻ろうとする力で、勝手に空気を吸い込む仕組み。空気入れもポンプも要りません。
大型のツインバルブ、滑り止め加工、そして連結機能付き。この「連結できる」という点が、後で効いてきます。
ひとつ面白いのは、メーカー自身がこの商品を「キャンプ・車中泊・防災・避難」用として売っていることです。AIたちが「防災の優先順位は低い」と落とした商品を、作っている側は防災用途を前面に出して売っている。この食い違いが、この記事のテーマになります。
WHY — 店舗で寝てみて決めました
買い方から書きます。私はこのマットをスポーツデポの店舗で実際に寝てみてから買いました。
寝心地が良かった。それだけの理由です。
そして買ったのは店舗ではなく、楽天のお買い物マラソンのときでした。店で寝心地を確かめて、ネットで買う。ずるいようですが、この商品にはこの買い方がいちばん向いていると思っています。
なぜなら、インフレータブルマットは、寝てみないと分からない商品だからです。厚さ7cm、重さ2.6kgと書かれていても、それが自分の体に合うかどうかは別の話です。私は横になった瞬間に「これでいい」と分かりました。逆に、寝ないで数字だけで選んでいたら、たぶんずっと迷っていたと思います。
アウトドア用品店が近くにあるなら、一度寝に行ってから買う。これがこの記事でいちばん実用的なアドバイスかもしれません。
REVIEW — 実際に、どう使っているか
▲ わが家での定位置。畳の上に敷いて使っています。
① キャンプ:1回
買った目的そのものです。地面のデコボコや小石は、厚みがあるので気になりませんでした。7cmという数字は、地面の硬さを消すのに十分でした。
②【いちばん使っている】夜勤明けの仮眠
正直に書きます。うちでこのマットがいちばん働いているのは、キャンプでも車中泊でもありません。私が夜勤明けに寝るときです。
畳の上にこれを敷いて、4〜5時間寝ます。仮眠というより、しっかり寝ています。
なぜベッドで寝ないのか。理由はこうです。
夜勤明けで疲れて帰った日は、とにかく先にビールが飲みたい。飲んでしまうと、もう風呂に入る元気は残っていません。そして、風呂に入っていない体でベッドには寝たくないのです。
だから、畳にマットを敷いて寝ます。汗をかいた体のまま横になっても気にならない場所が、家の中に一つある。それだけで夜勤明けがずいぶん楽になりました。
寝心地は良く、4〜5時間寝ても体は痛くなりません。畳の硬さは7cmの厚みで消えています。
③ 来客用
泊まりのお客さんが来たときにも使っています。押し入れから出して広げるだけで、一人分の寝床になります。
空気入れは要りません(ここは予想が外れたところ)
▲ バルブのアップ。キャップを開けて置いておけば、勝手にふくらみます。
▲ バルブは2つ。どちらも吸気と排気の両方に使えます(閉め方で切り替わります)。
ひとつ、誤解しやすいところがあります。バルブが2つあるからといって、「片方が入れる用、もう片方が抜く用」と分かれているわけではありません。2つとも吸気にも排気にも使えて、バルブの閉め方で切り替わります。手順は公式の商品ページに書かれているので、そこを見るのが確実です。
メーカーの説明では、大型のツインバルブで従来のバルブより約20%空気が入れやすく、抜きやすいとのこと。そして、こう書かれています。
「左右バルブは色分けされた逆止弁機能付きで流出も流入も防ぐ」
逆止弁というのは、空気が意図しない向きに流れないようにする弁のことです。入れた空気が勝手に抜けていかない。おそらく、これが次の話につながっています。
これは大事な点です。私は一度も、口で空気を足したことがありません。
インフレータブルマットは「自動と言いつつ最後は口で吹く」商品が多いようで、実際この記事のためにChatGPTとGeminiに予想を聞いたときも、2人そろって「最後は息を足す手間が出そう」と答えました。でも、うちのこれは足していません。
夜勤明けのフラフラの体で、空気入れを何十回も押したり、口で吹いたりするのは無理です。バルブを開けて置いておけばいい、という手軽さがなければ、私はここまで使っていなかったと思います。
不満は一つ、大きさです
はっきり書きます。丸めて収納しても、大きいです。
▲ 収納袋に入れて壁に立てかけた状態。横に置いたペットボトルと比べてください。これがそのまま押し入れの場所を取ります。
収納時のサイズは15×65cm。写真のとおり、ペットボトルより頭ひとつ大きい筒です。「畳めばコンパクト」という言葉から想像するサイズより、ひとまわり大きいと思っておいたほうがいいです。
片づけも、正直ラクではありません。空気を抜きながら丸めるのは力のいる作業です。ただ、大変ではあっても一人でできます。毎回誰かに手伝ってもらわないと無理、というレベルではありません。
▲ 空気を抜いて丸め、ベルトで留めたところ。ここから収納袋に入れます。
大人が寝るなら、2枚あってもいいかもしれません
もうひとつ正直なところを。幅60cmは、寝返りがきついです。
体を大きく動かすと、マットから落ちます。4〜5時間寝られてはいますが、ゆったり転がれる広さではありません。
ただ、この商品は連結できます。メーカーの説明にも「複数枚並べて使用してもマットとの隙間が空く心配なし」とあります。だから大人がしっかり寝るために使うなら、2枚買って並べるのが正解かもしれない、と使いながら思っています。2枚でも約12,000円。マットとしては、まだ高くありません。
CHECK — 2つのAIの予想と、答え合わせ
使う前ならどう予想するか、ChatGPTとGeminiに聞きました。予想点数は両者とも10点満点で8点。かなり当てていましたが、揃って外したところが1つあります。
BOUSAI — それで、防災の備えとしてはどうなのか
この記事の出発点に戻ります。2つのAIに「いまも、防災としての優先順位は低いと思うか」と改めて聞きました。答えは2人とも変わりませんでした。
ChatGPT「今も基本的には同じ考えです。マットは避難生活の睡眠・体力維持には有効ですが、まず水・食事・トイレ・電源など生命や衛生に直結する備えを優先し、その次に追加したい装備だと考えます」
Gemini「いまも考えは変わりません。キャンプでの日常使いを兼ねるなら買いですが、防災専用品としては2.6kgと重く嵩張り避難携行に向かないため、投資の優先順位は低いです」
この2人は正しいと思います。まだ何も備えていない家がいちばん先に買うべきなのは、水とトイレと食料です。そこは動かしません。第29回で非常用トイレが選ばれたのは、正しい結論でした。
そのうえで、使っている側から2つだけ言わせてください。
ひとつめ。Geminiは「避難携行に向かない」と言っています。たしかに、これを担いで逃げることはありません。2.6kgの筒を持って走るのは無理です。ただ、私がこれを使う場面として想像しているのは、持って逃げることではなく家で寝る・車で寝るほうです。避難所に行かず自宅で過ごす在宅避難や、車中泊。そこでなら、この一枚は確実に働きます。
ふたつめ。これが本題です。防災グッズのいちばんの敵は、押し入れで忘れられることだと思っています。買った日がいちばん意識が高くて、あとは存在ごと忘れていく。
その点で、このマットはわが家でいちばん忘れられていない防災グッズです。夜勤明けに使っては、また押し入れに戻している。どこにあるか、どう広げるか、体が覚えています。いざというときに「あれ、どこにしまったっけ」とはなりません。
私自身、何かあったときには活躍するだろうなとは思っています。ただそれは、防災用に買ったからではありません。普段から使っているからです。
だからこの記事の結論は、AIへの反論ではなく、こういう形になります。——防災のために買うなら、たしかに順番は後。でも、普段の生活で使う理由があるなら、それはもう「備え」として成立している。
VERDICT — 編集長の評価
- キャンプ・車中泊で使う予定がある
- 家に「床で寝たい場所」がある(夜勤明け・来客用)
- 空気入れやポンプを使いたくない
- 近くの店舗で一度寝て確かめられる
- 収納場所に余裕がない(15×65cmの筒)
- 担いで歩く・持って逃げる用途で探している
- ゆったり寝返りを打ちたい(1枚だと幅60cm)
- 防災の備えが何もない(まず水・トイレ・食料から)
- 火のそば・ストーブの近くで使わないこと。素材はポリエステルとスポンジで、熱に強いものではありません。
- 収納するときは空気を抜ききってから丸めること。空気が残ったまま無理に押し込むと、生地やバルブを傷めます。
- 私は汚れたことがないので断言はできませんが、汚れたら固く絞った布で拭き取る形になります。丸洗いを前提にした商品ではありません。
- 夏に屋外で使ったことがないため、暑い時期のテント内での蒸れについては未検証です。わが家の使い方(畳の上)では蒸れは感じていません。
WHERE TO BUY — どこで買えるか
私はスポーツデポの店舗で寝心地を確かめてから、楽天のお買い物マラソンのときに買いました。近くに店舗があるなら、一度寝てから買うことをおすすめします。
大人がゆったり寝るなら、連結できるので2枚並べる手もあります。
使い方やスペックの詳細は、メーカーの公式ページが正確です。バルブの仕組みや素材、サイズもここに載っています。
なお、公式ストアには枕が付いた別モデル(6,999円)や、厚さ10cmのモデル(8,999円)も並んでいます。私が使っているのは、枕なしの7cmのほうです。「枕を別に持っていくのが面倒」という方は、1,000円差なので枕付きを見てみてもいいかもしれません(私は使っていないので、寝心地の比較はできません)。



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